花ともバドミントンゆたしく～

過去は変えられる？

記憶は呼び出されるたびに、そのネットワークが不安定になるものなのだそうです。
記憶はもともとあやふやなネットワークである上に、記憶を呼び出したときの
気分や情動がそのネットワークにくっついてしまうからなのだそうです。

要するに、記憶はそもそも「幻想性」を持っていて、
それを呼び出すたびに「幻想」を付け加えうるネットワークなのだそうです。

例えば恋人のことを思い出したとき、たまたま気分がよければ
割りとポジティブな記憶を引っ張りやすくなるし、
嫌な過去でもほんわか色に染めて
「あれは俺の思い過ごしだ」といい方に考えられるものです。
ところが彼女とケンカでもすれば、一気にネガティブな記憶を引っ張ってきて、
「やっぱりアイツは浮気していたんじゃないか！？」
となるのは経験的にご存知の通りですね。

もう一度おさらいしておきましょう。
「未来の記憶」という言葉意味は、少なくとも二つあります。

一つは、未来の計画とか予定と思っていたものも脳の中では一種の記憶であり、
その記憶がいい感じか嫌な感じかによって我々はずいぶん影響を受けてしまうこと。

将来を考えるとき、何をどう組み合わせても未来が明るくなるような
「超ポジティブ未来型の記憶」しか持っていない人がいます。
「楽天的」だとか「お気楽」だとか言われているかもしれないが、
楽天性が楽天性を生んで、脳のカラクリからすれば悪いことじゃありません。

もう一つは、記憶と言われているものも、
実は計画や予定と同じく不安定なものであること。

記憶を疑ってかかれという話ではなく、記憶にはそんな性質があるんだから、
呼び出すたびに強化することもできるし、
その記憶にどんな色をつけるかは自分次第なのです。

失敗して落ち込んだ記憶も、何かで成功したときに思い出せばほんわか色に染まり、不
快な思いを克服できるかもしれません。

過去の事実は変えられないが、“過去の記憶の色”を変えることはできるのです。